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2022.5.10

レビュー

#6『ゴルフと健康』

Takeru Suzuki

ゴルフの楽しみ方は、以前より増して多様化し広がりを見せています。
ゴルフ研究の分野でも、以前は環境問題またはゴルフ道具やゴルフ技術に関することが大半を占めていましたが、最近ではゴルフと健康に関する研究に注目されることが多くなっています。
2018年に、R&AやUSGAなどを含む世界ゴルフ財団が支援して「INTERNATIONAL CONSENSUS ON GOLF & HEALTH」が開催され、界的にみてもゴルフに健康増進としての役割を求める動きは強くなっています(文献1資料1)。


資料1:2018年INTERNATIONAL CONSENSUS ON GOLF & HEALTH

ゴルフが上手な人は5年平均寿命が長い!

ゴルフと健康に関する研究の先駆けとなる最も有名な論文は、2009年に発表されたスウェーデンにおける調査です(文献2)。
この研究では、条件を満たした300,818人のスウェーデンゴルフ連盟に属する男女ゴルファーを対象に15ヵ月の期間に調査が行われています。
ハンディキャップによって区分されたグループは、30以上21~3011~2010以下の4つのレベルでした。
最も死亡率が低かったのは10以下(最も上手なグループ)で、死亡率は40%程の差があり、これを平均寿命に換算すると約5年となることを報告しています。
しかしながら、この要因をゴルフ中の運動やゴルフの技量によって全てを説明することはできないことを本論文でも認めており、わずか一部を説明するに過ぎないとしています。
ゴルフプレーにより定期的に歩くことは心血管疾患のリスクを減らすことに貢献し、ハンディキャップ10以下を維持するということは一般的にはより多くのラウンド回数を要することを意味し健康維持に役立ったと思われます。
この結果からは、どんなレベルであれラウンド数を増やすことで健康増進に繋がると考えられます。

『ゴルファー VS 非ゴルファー』健康状態の比較:ゴルファーは肥満だが幸福度は高い!

2019年オーストラリアの論文では、『ゴルフをする人とゴルフをしない人の心身の健康状態』の比較が調査されています(文献3)。
ゴルファー128名と非ゴルファー4999名の比較では、ゴルフをする人の年齢は高く、ゴルファー57.7±14.2歳非ゴルファー48.5±17.6歳という結果であり、ゴルフはオーストラリアでも高齢者の余暇スポーツというイメージがあるようです。
調査では、BMI=体重㎏÷(身長m)2が25以上を肥満もしくは過体重として区別していますが、ゴルファーの肥満率は75.9%、一方で非ゴルファーは63.9%と12%肥満率が高くなっています。
しかしながら、一日の歩数では、ゴルファー8866±3806歩に対して非ゴルファー7315±3636歩平均1500歩ほど余計に歩いており、身体活動は活発である結果となっています。
また、質問票を用いての自己の幸福や健康関連尺度の評価(HRQoL:Health Related Quality of Life)に関してもゴルファーは非ゴルファーよりも高くなっています
つまり、ゴルファーは、活発に動いてもいるけど余計に食べてもいる、その結果として幸福度は高いということになるのでしょうか。
いずれにせよ、今後もゴルフと健康を関連付ける強い根拠を示すような研究が増えていくことは世界的な潮流とみて間違いないでしょう。


資料映像 TONES AND I – DANCE MONKEY (OFFICIAL VIDEO)

2019年世界的な大ヒットを記録した「トーンズ&アイ ダンスモンキー」ミュージックビデオ。
ゴルフにおけるQOL向上(生活の質向上)を見事に表しています。
ゴルフをやらない人にとってもゴルフの良さが理解できる内容ですが、マナーだけは真似しないでください

■引用文献・資料

1.資料1 Golf&Health HP内 https://www.golfandhealth.org/about/international-consensus-on-golf-health/
2.B. Farahmand.,et al. (2009) Golf: a game of life and death – reduced mortality in Swedish golf players. Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports
3.Stenner B.,et al.(2019)Associations between markers of health and playing golf in an Australian population. ,BMJ Open Sport Exerc Med. 2019 Apr 12;5(1):e000517