#28『世界のゴルフ事情からみる日本』
ゴルフはグローバルスポーツとして認知され、世界的な広まりをみせているとされています。
2021年にR&Aから報告された「Golf Around the World」によると、世界251カ国の中でゴルフコースが存在する国は206カ国もあり、世界82%の国にゴルフは普及しています(引用1)。
全世界にはゴルフ施設が31,773存在し、ゴルフコースは38,081コースあり、全世界のホール数は544,866ホールと膨大な数になります。
なお、施設数よりもコース数が多い理由は、ゴルフ施設の数え方が、1つのゴルフクラブに例えば36ホールあっても1施設とカウントするのに対して、ゴルフコースでは2コースとカウントするように定義されているためです。
他の例では、27ホールのゴルフクラブの場合は、クラブにより9ホールを3コースとカウントする場合もあり、または18ホール1コースと9ホールを1コースとして2コースとカウントする場合もあります。
国際ゴルフ連盟(IGF)とは
国際ゴルフ連盟とは、IGF: International Golf Federationのことで、1958年に設立されたオリンピックやパラリンピックにおける公認の国際連盟です。
本部は、スイスのローザンヌにあり、現会長はプロゴルファーのアニカ・ソレンスタムです。
IGFの目的の1つは、「ゴルフというスポーツの国際的発展を奨励する」と公式ホームページにも書かれています(引用2)。
IGFには、149カ国152団体が加盟しています。
上記のゴルフ場保有国206カ国(82%)と比べると149カ国(59%)は加盟が少なくも感じますが、各国の国内にゴルフ連盟や協会が存在し運営されていることを意味しています。
日本は、日本ゴルフ協会がIGFに加盟しています。
日本はゴルフコース数世界2位
世界にはゴルフコースが38,081コース存在しています。
上位国は、アメリカ42%(16,156)、日本8%(3,140)、イギリス8%(3,101)と日本はゴルフ発祥の地であるイギリスと同等のコース保有数を誇り世界第2位です。
世界的にみるとアメリカのコース数は突出して多く、アメリカとカナダの北米エリアに世界の約半分のゴルフコースがあることになります(図1引用1より作図)。
コース数の多さからも北米エリアから競技力の高い選手が数多く輩出されるのは当然の結果とも考えられます。
また、ゴルフマイナー国の出身であっても早い段階から北米エリアで競技力を高め成功を収めるケースも最近では増えているようです。
世界にゴルフが普及しているとはいえ、図1に示したようにゴルフ場保有国上位10位までの国で世界の80%のコースを占め、その他の国には20%程しかゴルフ場がないことを考えると世界にゴルフが普及しているとは手放しに喜べない現状があり、ゴルフが世界に広まったということには慎重に考えなければなりません。
アジア圏での日本の役割
大陸別にゴルフコース保有数の割合をみると、北米50%、次いでヨーロッパ23%、日本が含まれるアジア・中東17%(6,323)となり、日本は3,140コースを保有していることからアジア・中東エリアの約50%は日本のコースということになります(図2引用1より作図)。
そのため、日本はアジア・中東エリアでゴルフに関してあらゆる面でリーダー的な役割を果たしていく好機にあります。
東南アジアでゴルフが盛んになってきている印象はありますが、ゴルフコースの保有数は日本が抜き出ていること、ゴルフの歴史もあるため、ゴルフの普及、競技、指導、組織運営、ゴルフビジネス、インバウンドゴルフ招致、またはアジア圏のゴルフに関する国と国の交流や協力関係構築など日本にできることは多いと考えられ今後の動向に希望が持てます。
引用文献
- R&A Golf Around the World.2021 Fourth Edition
- 国際ゴルフ連盟公式ホームページ https://www.igfgolf.org/about-igf